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解説カンボジア

プノンペンの借り手と賃貸の慣習

執筆 編集部

賃貸や売却の募集に向けて室内を整えるイラスト
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プノンペンの賃貸契約で決めておきたいこと

  • プノンペンのコンドの家賃は米ドル建てで、毎月の前払いと家賃の1〜2か月分の預り金の組み合わせがよく見られます(決まった額ではなく、契約ごとに決める)。
  • 契約は1年が多く、駐在員の借り手は異動のときの途中解約の条項を求めることがあります。条項の中身で空室の見通しが変わります。
  • 電気代は、建物が電力公社からまとめて買って各部屋に請求する形の建物があり、単価が建物ごとに違います。誰が払うかを契約書に書きます。
  • クメール正月(4月)とプチュム・バン(9〜10月ごろ)の連休の前後は、内見や手続きが止まりやすくなります。
  • 借り手が会社の場合は、家賃から源泉税が差し引かれます(カンボジアの不動産の税金)。

家賃の水準と空室の見方はプノンペンのコンドの家賃と空室、管理会社に任せる範囲はプノンペンの管理会社と賃貸の実務にまとめています。この記事は借り手との取り決めと慣習に絞ります。

借り手の種類と求められやすいこと

借り手契約の形求められやすいこと
外国企業の駐在員法人契約または個人契約。1年が多い家具付き、途中解約の条項、会社に出す領収書
NGO・国際機関の職員個人契約が多い職場への近さ、建物の安全、発電機
近隣国からの長期滞在者個人契約。期間が短めのことも家賃、月単位の柔軟さ
現地の高所得層・若い会社員個人契約家賃、駐車場、広さ

外国人の借り手が多いエリアはプノンペンのエリアの見方を参照してください。

家賃と預り金

取り決めよく見られる形決めておくこと
家賃の通貨米ドル受け取る口座、リエルで払われたときの換算
支払いの時期毎月の前払い。数か月分をまとめて払う借り手もいる支払いの期日と遅れたときの扱い
預り金家賃の1〜2か月分(目安)差し引ける項目、返す期限
支払いの方法銀行振込・現金・アプリ決済現金を受け取る場合の受領の記録

カンボジアでは米ドルが広く使われていますが、カンボジア国立銀行はリエルの利用を広げる方針をとっています。家賃を米ドルで受け取り、日本へ送るまでの流れは海外送金の流れを参考にしてください。

現金で受け取る場合は、誰が受け取り、どこに預け、いつ報告するかを管理会社と決めておかないと、日本から入金を確かめにくくなります(写真・動画の定期報告)。

1年契約と途中解約の条項

駐在員の借り手は、本国への帰任や異動で予定より早く出ることがあります。そのため、「○か月前に知らせれば、○か月分の家賃(または預り金)を払って解約できる」といった条項を求められることがあります。

条項の書き方(説明のための例)所有者にとっての意味
2か月前に知らせれば解約できる次の借り手を探す時間はとれるが、空室の期間が読みにくい
預り金を返さないことで解約できる入れ替えの費用の一部にあてられる
最初の6か月は解約できない短期の入れ替えを避けやすいが、借り手が決まりにくくなることも

どの書き方が合うかは、建物の借り手の層と、空室になったときに次が決まるまでの期間で変わります。管理会社に同じ建物の最近の契約を聞いてから決めます。

家具と電気代

  • 家具・家電:外国人の借り手は家具・家電付きを求めることが多く、エアコン・冷蔵庫・洗濯機・ベッド・ソファなどの一覧を契約書の別紙にします。壊れたときに誰が直すか(通常の使い方での故障か、借り手の不注意か)も書きます(借り手が部屋を傷めたら)。
  • 電気代:建物が電力公社(EDC)からまとめて電気を買い、各部屋に請求する形の建物があります。この場合の単価は建物の決まりによるため、借り手が家賃と電気代の合計で比べることがあります。部屋ごとにEDCと契約する形かどうかを、管理事務所に確かめます。
  • 管理費・水道・ネット:管理費は所有者、水道・ネットは借り手の負担とする形がよく見られますが、契約ごとに決めます。

クメール正月とプチュム・バンの前後

時期動き所有者が考えること
クメール正月(4月中旬)連休で帰省が多く、内見・契約・修理が止まりやすい契約の終わりをこの時期に重ねない
プチュム・バン(9〜10月ごろ)連休。役所や業者の手続きも止まりやすい修理や鍵の受け渡しの予定を前にずらす
企業の異動の時期駐在員の着任・帰任本国の会社の異動の季節に合わせた募集

祝日の日付は毎年の政府の発表で決まります。雨季(おおむね5〜10月)は道路の冠水で内見の予定が変わることもあります。

法人の借り手と源泉税

借り手が会社の場合は、会社が家賃から源泉税を差し引いて納めます。税率は所有者が居住者か非居住者かで違い、日本に住む所有者は非居住者の扱いになります(税率と日本での申告はカンボジアの不動産の税金)。

  • 契約書の家賃が、税を差し引く前の額か、差し引いた後の手取りかを書いておきます。書いていないと、受け取る額で話が食い違うことがあります。
  • 差し引かれた税の納付の証明を借り手の会社から受け取り、日本での申告に使えるように保管します。

日本から確かめること

  1. 家賃の通貨・支払いの期日・預り金の額と、差し引ける項目
  2. 途中解約の条項の中身と、同じ建物の最近の契約の例
  3. 家具・家電の一覧と、故障のときの負担
  4. 電気代の請求の形(建物経由か、部屋ごとの契約か)と単価
  5. 法人の借り手の場合、家賃が税の前か後か、納付の証明の受け取り方
  6. 現金で受け取る場合の受領の記録と報告の時期

次に読む

この記事で出てくる言葉

言葉ざっくりいうと
預り金(デポジット)入居のときに借り手から預かるお金。退去のときに傷みの費用などを差し引いて返す
途中解約の条項契約の期間の途中で借り手が出るときの条件を決めた部分
クメール正月カンボジアの正月。毎年4月中旬(4月13〜16日ごろ)
プチュム・バン先祖をまつる仏教の行事。9〜10月ごろ(年によって変わる)の連休
源泉税家賃を払う側が差し引いて納める税

よくある質問

預り金はどのくらい預かるのが普通ですか?

家賃の1〜2か月分を預かる取り決めがよく見られますが、決まった額はなく、家具の量や契約の期間によって変わります。説明のための目安として、管理会社に同じ建物の最近の契約での額を聞き、退去のときに何を差し引けるかを契約書に書いておくと、返すときの話し合いがしやすくなります。

家賃をリエルで払いたいと言われたら?

プノンペンのコンドの家賃は米ドル建てが一般的ですが、国はリエルの利用を広げる方針をとっています。受け取る通貨と換算のレート、送金の流れを管理会社と決めておきます。

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補足情報

プノンペンでコンドミニアムを貸す際は、家賃や預り金、途中解約の条件を契約前に決めておくことが大切です。家具・家電の用意、電気代の支払い、祝日前後の賃貸需要など、現地の慣習を紹介します。

出典・参考

  1. National Bank of Cambodia(カンボジア国立銀行)— 為替・通貨(リエルと米ドル)(2026-10-01 参照)
  2. General Department of Taxation(カンボジア税務総局)— 賃貸収入の源泉税(2026-10-01 参照)
  3. Electricité du Cambodge(カンボジア電力公社 EDC)— 電気の料金と契約(2026-10-01 参照)