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解説アメリカ本土

米国の住宅ローン金利「7%」「7.5%に迫る」はどの数字か:フレディマック(週次・木曜)、MBA(週次・水曜)、Mortgage News Daily(日次)、Optimal Blue(日次)の4つの指標の違い。同じ週に0.4ポイントの差が出る理由と、ハワイの物件で読むときの注意

2026年9月下旬、米国の30年固定の住宅ローン金利は、報道によって「7.03%」「7.12%」「7.5%に迫る」と幅があります。数字が違うのは、公表する組織と測り方が違うからです。フレディマックの週次調査(PMMS)、米抵当銀行協会(MBA)の週次申請調査、Mortgage News Dailyの日次指数、Optimal Blueの日次指数の4つについて、元データ・対象のローン・公表のタイミング・手数料の扱いを公表資料で確かめ、比べるときの決まりと、ハワイの物件を検討する人が知っておくべき点(PMMSはハワイを除いて集計)を整理します。

執筆 編集部

建物模型と資料を広げ、虫眼鏡で情報を確かめる様子のイラスト
資料を読み、条件を確かめる。海外不動産を判断するための情報整理

この記事で出てくる言葉

言葉ざっくりいうと
PMMS(Primary Mortgage Market Survey)政府系の住宅金融機関フレディマックが1971年から続ける週次の金利の調査
MBA(Mortgage Bankers Association、米抵当銀行協会)住宅ローン業界の団体。毎週水曜に申請件数と金利を公表
適合ローン(コンフォーミング)政府系機関(ファニーメイ・フレディマック)の買い取りの基準に合うローン。上限額を超えるものはジャンボ
LTV(Loan-to-Value)物件価格に対する借入の割合。80%なら頭金2割
FICO米国の個人の信用スコア。740以上は「優良」の目安
ポイント金利を下げるために前払いする手数料。1ポイント=借入額の1%
ロック(rate lock)申し込んだ金利を一定期間確定させること。日次の指数の元データになる
レートシート貸し手が毎日出す金利表。報道用の日次指数の元データになる
5/1 ARM当初5年固定、その後は1年ごとに変わる変動金利のローン

先に結論

  • 米国の30年固定の金利には、少なくとも4つの公表元があり、同じ週でも値が違います。2026年9月第4週は、フレディマック7.03%(9月24日公表)、MBA 7.12%(9月18日までの週)、Mortgage News Daily 7.45%(9月24日)と、0.4ポイント幅がありました。「7.5%に迫る」という報道は日次の指数を指しています。
  • 違いの主な理由は3つ。元データ(申請・ロック・レートシート)、対象の借り手(頭金2割・信用が優良な人に限るか、幅広く含むか)、期間(週の平均か、その日の値か)。
  • 比べるときは同じ指標どうしで。前週比や前年比は、忘れずに同じ公表元の数字で計算します。ハワイの物件を検討する人は、PMMSがハワイの申請を集計に入れていない点を知って読みます。

4つの指標の比べ方

指標公表元・頻度元データ対象のローン手数料(ポイント)の扱い直近の値
PMMSフレディマック。毎週木曜正午(米東部時間)同社の審査システム(Loan Product Advisor)に出された申請購入・適合・30年または15年固定・LTV75〜80%・FICO740以上・単一住戸・自己居住・本土48州とDC公表しない(2022年11月から)7.03%(9月24日公表。前週6.95%、1年前6.30%)
MBA 週次申請調査米抵当銀行協会。毎週水曜加盟する貸し手の申請(小売の75%超を対象、1990年から)適合・ジャンボ・FHA・15年・5/1 ARMを別々に公表LTV80%のローンの契約金利と、ポイント(手数料込み)を併記7.12%(9月18日までの週。前週6.97%)
Mortgage News Daily民間の報道サイト。平日の16時ごろ(米東部時間)貸し手のレートシート信用が優良な借り手向けの提示金利ポイントなしの提示に近い値7.45%(9月24日)、7.43%(9月25日)
OBMMIOptimal Blue(民間の価格提示システム)。平日毎日実際に金利を確定(ロック)した取引(全米の約35%)適合・ジャンボ・FHA・VA・USDA。LTV別・FICO別の指数もあるロックした条件そのまま編集部で値を取得できず(サイトで確認)

同じ「30年固定」でも、上の表の右側の条件が違えば、値は違って当然です。特に、PMMSは頭金2割・信用が優良・購入のみという条件をそろえ、毎週同じ種類の借り手の金利を測っています。借り手の構成が変わっても数字が動かないように設計されているので、週ごとの流れを見るのに向いています。一方、日次の指数はその日の提示やロックを写すので、金利が急に動いた週は週平均より先に動きます。

差が出る3つの理由

  1. 元データが違う:PMMSは「申請の時点の金利」で、貸し手の約束でも実行金利でもない、と同社の説明にあります。MBAは加盟社の申請、Mortgage News Dailyはレートシート、OBMMIはロックです。
  2. 対象の借り手が違う:PMMSは条件をそろえて狭く取り、MBAは種類別に分けて公表し、日次指数は優良な借り手向けの提示に寄せています。9月第4週にPMMSが最も低く、日次指数が最も高かったのは、この差と、金利が上がる局面で日次が先に動くことの両方が重なった結果と読めます。
  3. 期間が違う:PMMSは木曜から翌週水曜までの申請の平均、MBAは金曜までの1週間、日次は当日です。金利が週の後半に上がると、週平均は翌週の公表で追いつきます。

ハワイの物件で読むときの注意

フレディマックの2022年11月の説明資料には、集計に入れる物件を本土48州とワシントンDCに限り、アラスカ・ハワイ・準州は除くと明記されています。理由は、これらの地域は融資の上限額(適合ローンの上限)が本土より高く定められていることです。PMMSの7.03%という数字には、ハワイの申請は入っていません。

ハワイの物件でローンを検討する人は、次の順で見ると誤解が減ります。

  • 全国の流れは PMMS で追う(ハワイの数字ではないと知ったうえで)。
  • 自分が借りられる金利は、貸し手の見積もりで見る。非居住者向けのローンは条件が別で、頭金の割合や金利の上乗せがあります(日本の銀行で海外不動産のローンは借りられますか?)。
  • 金利が上がると買い手の数と成約までの日数に影響が出ることがあります。ハワイの市場はオアフ島の統計の見方で追えます。

自分で確かめる方法

見たいことどこで見方
今週の全国平均(週次)freddiemac.com/pmms毎週木曜正午(米東部時間)に更新。前週・1年前が並ぶ
長期の推移(グラフ・ダウンロード)FRED「MORTGAGE30US」セントルイス連銀がPMMSを時系列で載せている。1971年から
種類別(適合・ジャンボ・FHA)と申請件数mba.org のニュースルーム毎週水曜。「Mortgage Applications … in Latest MBA Weekly Survey」の題で出る
今日の動きmortgagenewsdaily.com/mortgage-rates平日16時ごろ(米東部時間)。前日比が出る
ロックにもとづく日次、LTV・FICO別www2.optimalblue.com/obmmi平日毎日。週末・休日は出ない

報道で「金利が7.5%に迫る」「7%を超えた」と見たら、まずどの公表元の数字かを確かめます。編集部のニュースでは、フレディマックの週次とMBAの週次を分けて書いています。金利は毎週動き、先行きは誰にもわかりません。家賃で返済をまかなえるかは、いま提示される金利でDSCRを計算し直して見ます。

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よくある質問

結局、どの数字を見ればよいですか?

目的で分けます。週や月の流れを追うなら、1971年から続くフレディマックのPMMS(毎週木曜)を同じ調査どうしで比べます。今日の動きを知りたいなら日次の指数(Mortgage News Daily、Optimal Blue)を見ます。自分が借りられる金利は、どの指標とも違い、貸し手の見積もりでしか分かりません。

ハワイの物件のローンの金利はPMMSで見てよいですか?

PMMSは2022年11月の方法の変更で、集計の対象を本土48州とワシントンDCの物件に限っています。ハワイとアラスカは融資の上限額が別に定められているため除かれています。ハワイの金利の水準は全国平均と大きくは離れないことが多いものの、PMMSの数字そのものにはハワイの申請は入っていない点を知って読みます。

出典・参考

  1. Freddie Mac — Primary Mortgage Market Survey(PMMS)。2026年9月24日公表:30年固定7.03%、15年固定6.42%、前週6.95%・6.26%、1年前6.30%・5.49%。調査の説明(申請データにもとづく週平均、木曜正午に公表)(2026-09-28 参照)
  2. Freddie Mac Economic & Housing Research Note「Freddie Mac's Newly Enhanced Mortgage Rate Survey Explained」(2022年11月。2022年11月17日からの新しい方法:Loan Product Advisorの申請データ、購入・適合・LTV75〜80%・FICO740以上・単一住戸・自己居住、本土48州とDCのみ(アラスカ・ハワイを除く)、木曜〜水曜の週、ポイントと5/1 ARMの公表をやめる)(2026-09-28 参照)
  3. FRED(セントルイス連銀)「30-Year Fixed Rate Mortgage Average in the United States(MORTGAGE30US)」(PMMSの時系列。2026年9月24日:7.03%)(2026-09-28 参照)
  4. Mortgage Bankers Association「Mortgage Applications Decrease in Latest MBA Weekly Survey」(2026年9月23日公表。9月18日までの週の30年固定(適合)7.12%。調査は1990年から、小売の申請の75%超を対象、金利はLTV80%のローンの契約金利とポイント。公式ページの本文は編集部で取得できず、数値は9月24日の記事で報道と照合済み)(2026-09-28 参照)
  5. Mortgage News Daily「Mortgage Rates」(日次の30年固定の指数。2026年9月25日:7.43%、前日比-0.02。平日の米東部時間16時ごろ更新、貸し手のレートシートにもとづく)(2026-09-28 参照)
  6. Optimal Blue「Optimal Blue Mortgage Market Indices(OBMMI)」(日次。金利のロック(確定)のデータにもとづき、全米の取引の約35%を対象。LTV・FICO別の指数あり)(2026-09-28 参照)

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