ITINとは:米国の不動産を持つ外国人の納税者番号。取得のしかた、家賃の申告(30%源泉と純額課税の選択)、売却時の還付
米国の不動産を持つ日本の居住者は、米国の税の申告にITIN(個人納税者番号)が必要になります。W-7での申請、家賃にかかる30%の源泉徴収と純額課税を選ぶ手続き(W-8ECI、1040-NR)、FIRPTAの源泉の還付、州の申告、ITINの有効期限を整理します。
執筆 編集部

この記事で出てくる言葉
| 言葉 | ざっくりいうと |
|---|---|
| ITIN | 社会保障番号(SSN)を持たない人のための個人納税者番号 |
| W-7 | ITINの申請書 |
| 1040-NR | 非居住外国人の連邦所得税の申告書 |
| W-8ECI | 家賃を「事業に関連する所得」として扱い、30%源泉をかけないよう支払者に出す書類 |
| 純額課税の選択 | 家賃から経費を引いた所得に課税する方式を選ぶこと |
| CAA | ITIN申請でパスポートの確認を代行できる認定代理人 |
先に結論
- 米国の不動産を持つ日本の居住者は、米国の申告にITINが必要になることが多い。
- 家賃には、何もしなければ総額に30%の源泉徴収がかかる。純額課税を選ぶと、経費・減価償却を差し引いた所得に累進税率で課税され、負担が下がることが多い。そのためにW-8ECIと1040-NRの申告が要る。
- 売るときに源泉されたFIRPTA(売却価格の15%など)は、申告で精算して還付を受ける。これもITINが要る。
- 州の申告(ハワイ、カリフォルニアなど所得税のある州)も別に必要。
ITINの取り方
- W-7に記入する。
- 身元の証明:パスポートの原本、発行機関の証明付きの写し、または**認定代理人(CAA)**による確認。
- 原則として申告書(1040-NR)と一緒にIRSに送る。
- 審査に数週間〜数か月かかる。
有効期限:連続3年間、申告に使わないと失効します。失効したら更新の申請が必要です。
家賃の課税:2つの方式
| 方式 | 課税の対象 | 手続き | 向く場合 |
|---|---|---|---|
| 30%源泉(原則) | 家賃の総額 | 支払者(管理会社)が源泉して納付 | 経費がほとんどない場合 |
| 純額課税の選択 | 家賃−経費−減価償却 | W-8ECIを管理会社に出し、毎年1040-NRで申告 | 管理費・固定資産税・利息・減価償却がある一般的な場合 |
純額課税を選ぶと、多くの場合、課税される所得が小さくなり、米国の税がかからない、または小さくなることがあります。その代わり、毎年の申告が必要です。
売却時
- 売却価格の15%(条件により10%)がFIRPTAで源泉される(FIRPTA・HARPTA)。
- 実際の税額が源泉額より小さければ、1040-NRで還付を受ける。ITINがないと還付の手続きが進まない。
- ハワイでは州の源泉(HARPTA、7.25%)が別にかかる。
日本での申告との関係
- 米国で申告・納税した家賃・売却益は、日本でも申告する。
- 米国で払った税は、日本の外国税額控除の対象になりうる(外国税額控除とは)。
- 米国の減価償却と日本の減価償却は計算が違う。日本では、個人が持つ海外の中古建物の減価償却の赤字は、他の所得と相殺できない(税金の総まとめ)。
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よくある質問
ITINは購入前に取る必要がありますか?
購入自体にITINは必須ではありませんが、家賃の申告、純額課税の選択、売却時の源泉の還付にはITINが必要です。ITINは原則として申告書と一緒に申請するため、最初の申告の時期に合わせて準備する人が多いです。
出典・参考
- IRS — Individual Taxpayer Identification Number(ITIN)/ Form W-7(2026-09-23 参照)
- IRS — Nonresident Aliens: Rental Income / Form W-8ECI / Form 1040-NR(2026-09-23 参照)
- IRS — FIRPTA Withholding(2026-09-23 参照)
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