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解説タイ

タイのコンドミニアム、外国人の購入動向

執筆 編集部

バンコクのコンドミニアム、街路、高架鉄道を描いたイラスト
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先に結論

  • タイで外国人がコンドをどれだけ買っているかの公的な統計は、不動産情報センター(REIC)が四半期ごとに出す「外国人のコンド移転登記の状況」です。土地局に登記された名義変更を、国籍別に集計しています。
  • 2026年4〜6月期は3,292戸(前年同期比1.4%増)・148億300万バーツ(20.2%増)、面積は14万5,140平方メートル(8.1%増)でした。上期(1〜6月)は6,533戸(8.8%減)・282億6,700万バーツ(1.5%減)で、1〜3月期の落ち込みを4〜6月期が取り戻した形です。
  • 全体のコンド移転登記に占める外国人の割合は、4〜6月期で戸数10.2%・金額20.0%。前年同期(13.9%・23.1%)より下がりましたが、これはタイ人を含む全体の登記が大きく増えたためです。
  • 国籍別の金額の上位は中国、ロシア、ミャンマー、米国、台湾の順。日本は上位10か国に入っていません。 1戸あたりの平均額が最も高いのは米国(660万バーツ)、平均面積が最も広いのはインド(72.1平方メートル)です。
  • この統計は新築と中古の両方を含み、登記の時点で数えます。販売契約から登記までの時間差があるため、販売の勢いより遅れて動きます。県別の内訳と新築・中古の内訳は、今回のプレスリリースには載っていません。

この統計が数えているもの

項目内容
対象全国のコンド(区分所有の部屋)のうち、外国人(個人)への移転登記
元データ土地局(Department of Lands)の登記記録。REICが集計・加工
単位戸数、金額(バーツ)、面積(平方メートル)。金額は登記時の申告額をもとにした値
新築・中古両方を含む。2023年1〜3月期の公表では、新築:中古の比率が戸数で59:41、金額で70:30だった
国籍買い手の国籍別。金額の上位10か国と「その他」
公表四半期ごと。4〜6月期分は2026年9月11日に公表(四半期末から約2か月半後)
載っていないもの県別の内訳(今回の公表にはない)、新築・中古の内訳(今回の公表にはない)、法人名義の購入、リースホールド(賃借権)の登記、販売契約だけで登記前の取引

2026年4〜6月期と上期の数字

期間戸数前年同期比金額(百万バーツ)前年同期比面積(平方メートル)前年同期比
2026年4〜6月期3,292戸+1.4%14,803+20.2%145,140+8.1%
2026年1〜3月期3,241戸−17.3%13,464−17.9%141,644−13.0%
2026年上期(1〜6月)6,533戸−8.8%28,267−1.5%286,784—

※ 上期の平均は1戸あたり430万バーツ、43.9平方メートル、1平方メートルあたり約9万8,566バーツ(REICの計算)。面積の上期の前年比は公表に記載がありません。

全体に占める外国人の割合

期間全体の移転登記(戸)うち外国人(戸)戸数の割合全体の金額(百万バーツ)うち外国人金額の割合
2025年4〜6月期23,3613,24813.9%53,36412,31823.1%
2026年4〜6月期32,2043,29210.2%73,98614,80320.0%
2025年上期45,1757,16715.9%109,35228,71126.3%
2026年上期56,0416,53311.7%130,40828,26721.7%

外国人の戸数は4〜6月期に前年同期より増えているのに割合が下がったのは、全体(タイ人を含む)の登記が約38%増えたためです。REICは2026年8月27日の全国の住宅市場の公表で、上期の移転登記の増加(戸数で前年同期比17.6%増)の主な要因として、移転登記と抵当権設定の手数料の軽減策と、住宅ローンの貸出比率(LTV)の規制緩和を挙げています。これらはタイ国内で住宅ローンを使って買う人に主に関わる政策で、現金で買うことの多い外国人の動きとは分けて見る必要があります。

国籍別(2026年上期、金額の上位10か国)

順位国籍戸数金額(百万バーツ)1戸あたり平均(百万バーツ)平均面積(平方メートル)戸数の前年同期比金額の前年同期比
1中国1,8136,8743.838.2−23.8%−27.7%
2ロシア8423,6034.341.8+50.4%+75.9%
3ミャンマー6412,4573.834.9−34.1%−16.2%
4米国2541,6686.657.9−6.3%+22.2%
5台湾3341,4654.433.9−11.6%−10.1%
6フランス2911,2114.249.4−11.3%−5.0%
7英国2551,1164.453.2+6.7%−9.3%
8ドイツ2419544.047.6+8.1%+15.5%
9オーストラリア1858144.453.5+63.7%+61.0%
10インド1288106.372.1+15.3%+9.3%
—その他1,5497,2954.748.7−2.7%+9.7%
—合計6,53328,2674.343.9−8.8%−1.5%

中国は戸数・金額とも最多ですが、前年同期より2割以上減りました。ロシアとオーストラリアは戸数・金額とも5割以上増えています。日本は「その他」に含まれ、日本だけの数字はこの公表にはありません。

四半期の推移(2024年以降)

四半期戸数金額(百万バーツ)
2024年1〜3月期3,93818,013
2024年4〜6月期3,32214,821
2024年7〜9月期3,75618,571
2024年10〜12月期3,55716,778
2025年1〜3月期3,91916,392
2025年4〜6月期3,24812,318
2025年7〜9月期3,84415,376
2025年10〜12月期3,88816,834
2026年1〜3月期3,24113,464
2026年4〜6月期3,29214,803

※ REICのプレスリリースのグラフから読み取った値。2022年1〜3月期からの平均は1四半期あたり3,445戸・161億バーツです。1〜3月期と4〜6月期は、年によって大きく振れています。

読むときの注意(編集部)

  • 登記の時点で数える統計です。 完成前(プレビルド)の販売契約は、建物が完成して登記されるまで表れません。「今年は外国人の購入が増えた」という話が販売契約の話なのか登記の話なのかで、数字が指す時期が1〜3年ずれることがあります。
  • 金額の割合(20%)は戸数の割合(10%)の約2倍です。 外国人が買う部屋の平均額(430万バーツ)が全体の平均より高いことを示します。外国人向けの価格帯が、タイ人の多くが買う価格帯と別であることが読み取れます。
  • 国籍別の順位は、その年の為替や各国の事情で入れ替わります。 ロシアとオーストラリアの増加、中国とミャンマーの減少は、タイの市場そのものより買い手側の国の事情を映している可能性があります。1つの国の数字から「タイの人気が上がった・下がった」と読むのは早計です。
  • 建物ごとの外国人枠の残りは、この統計では分かりません。 統計は全国の合計です。自分が検討する建物の49%枠にどれだけ空きがあるかは、管理組織(ジュリスティックパーソン)の書面で確かめます(タイの中古コンドの見方)。
  • 県別の内訳は今回の公表にありません。 REICは別の四半期で県別(バンコク、チョンブリ、プーケットなど)を出すことがあります。パタヤ(チョンブリ県)やプーケットの数字を見たいときは、各四半期の公表を確かめます。

自分で確かめる方法

  1. REICのプレスリリース一覧(reic.or.th → กิจกรรม → Press Release)で「การโอนกรรมสิทธิ์ห้องชุดของคนต่างชาติ(外国人のコンド移転登記)」を探します。タイ語ですが、表の数字と国名の並びは翻訳ツールで追えます。
  2. 各リリースのPDFには、戸数・金額・面積のグラフと、国籍別の表が載っています。出所欄の「กรมที่ดิน(土地局)」を確かめます。
  3. 業者の資料の数字が「全国」か「バンコク」か、「戸数」か「金額」か、「四半期」か「半期」かを、REICの表と突き合わせます。
  4. 次の公表(7〜9月期分)は、四半期末から約2か月半後が目安です(4〜6月期分は9月11日に公表)。

次に読む

この記事で出てくる言葉

言葉ざっくりいうと
移転登記土地事務所で所有者の名義を変える手続き。この統計は「登記が済んだ取引」を数える
不動産情報センター(REIC)政府系住宅銀行(GH Bank)の調査部門。土地局のデータを集計して四半期ごとに公表する
土地局(Department of Lands)登記を扱う役所。統計の元データの出所
外国人枠コンドの外国人所有は建物の床面積の49%まで(詳しく)
前年同期比(YoY)前の年の同じ四半期と比べた変化率
上期1〜6月。この統計では「ครึ่งแรก(前半)」

よくある質問

日本人がタイでコンドをどれだけ買っているか、この統計で分かりますか?

2026年上期の公表では、金額の上位10か国(中国、ロシア、ミャンマー、米国、台湾、フランス、英国、ドイツ、オーストラリア、インド)に日本は入っておらず、日本の数字は「その他」(1,549戸・72億9,500万バーツ)に含まれています。日本だけの数字はこのプレスリリースには載っていません。

「外国人の購入が増えている」という説明は、この統計で確かめられますか?

戸数と金額の前年同期比で確かめられます。2026年4〜6月期は戸数が1.4%増、金額が20.2%増でした。一方で上期(1〜6月)では戸数が8.8%減、金額が1.5%減です。四半期と半期のどちらを見るかで印象が変わるため、説明がどの期間の数字を使っているかを確かめます。また、この統計は登記が済んだ取引を数えるもので、販売契約の時点より遅れて表れます。

全体に占める外国人の割合が下がったのは、外国人が買わなくなったからですか?

4〜6月期の外国人の戸数は前年同期より増えています(3,248戸から3,292戸)。割合が13.9%から10.2%に下がったのは、タイ人を含む全体の移転登記が2万3,361戸から3万2,204戸へ大きく増えたためです。分母が動いた結果で、外国人の需要が減ったことを示す数字ではありません。

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補足情報

タイで外国人がどれだけコンドを買っているかを示す公的な統計は、政府系住宅銀行の不動産情報センター(REIC)が四半期ごとに公表する「外国人のコンド移転登記の状況」です。土地局(Department of Lands)に登記された名義変更を国籍別に集計したもので、新築と中古の両方を含みます。2026年4〜6月期は3,292戸(前年同期比1.4%増)・148億300万バーツ(20.2%増)、上期(1〜6月)は6,533戸(8.8%減)・282億6,700万バーツ(1.5%減)でした。国籍別の上位10か国の表、全体に占める割合が下がった理由、統計が数えていないもの、自分で確かめる方法を整理します。

出典・参考

  1. ศูนย์ข้อมูลอสังหาริมทรัพย์(不動産情報センター、REIC)「รายงานสถานการณ์การโอนกรรมสิทธิ์ห้องชุดของคนต่างชาติ ไตรมาส 2 ปี 2569 และครึ่งแรก ปี 2569」(2026年9月11日公表のプレスリリースPDF。全国の戸数・金額・面積、四半期の推移、全体に占める割合、国籍別上位10か国の表。出所は土地局)(2026-10-01 参照)
  2. REIC プレスリリース一覧ページ(上記の掲載ページ。No.289)(2026-10-01 参照)
  3. REIC「รายงานสถานการณ์การโอนกรรมสิทธิ์ห้องชุดของคนต่างชาติ ไตรมาส 1 ปี 2566」(2023年6月21日。この統計が新築と中古の両方を含むこと、当時の新築:中古の比率が戸数で59:41だったことの確認に使用)(2026-10-01 参照)
  4. REIC「REIC ชี้ตลาดที่อยู่อาศัยครึ่งแรกปี 69 ได้แรงส่งมาตรการรัฐหนุนหน่วยโอนกรรมสิทธิ์ฯ พุ่ง 17.6%」(2026年8月27日。上期の全国の住宅の移転登記が17.6%増えた要因として手数料の軽減策とLTV規制の緩和を挙げた公表。全体の登記が増えた背景の確認に使用)(2026-10-01 参照)
  5. InfoQuest「ศูนย์ข้อมูลอสังหาฯ เผย Q2/69 ต่างชาติโอนอาคารชุดมากขึ้น」(2026年9月11日。公表内容の報道。数字の照合に使用)(2026-10-01 参照)