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ニュースアメリカ本土

米国の住宅価格(7月):連邦住宅金融庁の指数は前年比2.6%上昇、S&Pケース・シラーの全米指数は1.9%上昇。ハワイを含む太平洋地域は0.7%で9地域の中で最も低い

米連邦住宅金融庁(FHFA)とS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが2026年9月29日に公表した、7月の米国の住宅価格指数の要約です。FHFAの指数は前月比0.3%上昇・前年同月比2.6%上昇、ケース・シラーの全米指数は前年同月比1.9%上昇(6月は1.6%)でした。9つの地域別と20都市別の数字、2つの指数の差が出る理由、物価を差し引いた実質では14か月続けて下がっている点、次回の公表日を整理します。

執筆 編集部

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この記事は、米連邦住宅金融庁(FHFA)とS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスの発表(一次情報)を要約したものです。

米国の住宅金融の監督機関である連邦住宅金融庁(FHFA)は2026年9月29日、住宅価格指数(FHFA HPI)の7月分を公表しました。全米の住宅価格は前月比0.3%上昇、前年同月比2.6%上昇でした。同じ日に、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが公表したケース・シラー住宅価格指数(S&P Cotality Case-Shiller Home Price Indices)の全米指数は前年同月比1.9%上昇で、6月の1.6%から伸びが大きくなりました。

発表の内容(FHFA 住宅価格指数、2026年7月)

項目数字
全米(前月比、6月→7月)0.3%上昇
全米(前年同月比、2025年7月→2026年7月)2.6%上昇
6月の前月比(改定後)0.0%(改定なし)
9地域の前月比の幅山岳地域の0.8%下落から中部大西洋地域の1.5%上昇まで
9地域の前年同月比の幅山岳地域の0.6%上昇から中部大西洋地域の6.3%上昇まで
次回の公表2026年10月27日(8月分)

※ 季節調整済み・名目(物価の変化を除いていない)の「購入のみ」の指数。

9つの地域別(FHFA)

地域主な州前月比前年同月比
太平洋ハワイ、カリフォルニア、オレゴン、ワシントン、アラスカ0.6%上昇0.7%上昇
山岳アリゾナ、ネバダ、コロラド、ユタなど0.8%下落0.6%上昇
西北中部ミネソタ、ミズーリなど0.4%上昇2.9%上昇
西南中部テキサス、オクラホマなど0.4%上昇1.1%上昇
東北中部イリノイ、オハイオ、ミシガンなど0.1%上昇4.5%上昇
東南中部テネシー、アラバマなど0.5%下落2.4%上昇
ニューイングランドマサチューセッツなど0.3%上昇4.1%上昇
中部大西洋ニューヨーク、ニュージャージー、ペンシルベニア1.5%上昇6.3%上昇
南大西洋フロリダ、ジョージアなど0.1%上昇1.8%上昇

太平洋地域の前年同月比は、前回(6月までの12か月)の0.5%から0.7%へわずかに上がりましたが、9地域の中では引き続き最も低い水準です。

発表の内容(S&Pケース・シラー指数、2026年7月)

指数前年同月比(7月)前年同月比(6月)前月比(季節調整後)
全米指数1.9%上昇1.6%上昇0.3%上昇
10都市指数3.4%上昇3.0%上昇0.4%上昇
20都市指数2.5%上昇2.2%上昇0.3%上昇

20都市のうち、前年同月比の上昇が大きかったのはシカゴ(6.9%)、ニューヨーク(5.8%)、クリーブランド(4.2%)でした。下落したのはシアトル(1.6%下落)、ラスベガス(1.3%下落)、デンバー(1.1%下落)、タンパ(0.7%下落)、ポートランド(0.7%下落)、ダラス(0.4%下落)の6都市です。日本からの投資家が見ることの多い都市では、マイアミ3.5%上昇、サンフランシスコ3.5%上昇、サンディエゴ1.6%上昇、ロサンゼルス1.2%上昇、フェニックスはほぼ横ばいでした。デトロイトは取引データの遅れで7月分の更新がありません。

リリースは、7月の消費者物価が前年比3.4%上昇だったのに対し住宅価格の上昇は1.9%にとどまり、物価を差し引いた実質では14か月続けて下落していると説明しています。

2つの指数で数字が違う理由

  • 元データ:FHFAは、政府系の住宅金融機関(ファニーメイ・フレディマック)が買い取った適合ローン(上限額の範囲内のローン)つきの一戸建ての売買だけを使います。ケース・シラーは郡の登記所の売買記録を使うため、現金の取引や上限額を超えるジャンボローンの取引も入ります。
  • 重みのつけ方:ケース・シラーは価格の高い住宅の動きに大きい重みをつける「価格加重」です。FHFAは1件ごとの価格の変化を平均に近い形でまとめます。
  • なめらかさ:ケース・シラーは3か月の移動平均で、公表は2か月遅れです。FHFAの月次の指数は単月の値で、翌月以降に改定されます。今回も、6月の西北中部の前月比が0.6%下落から0.3%下落に改定されています。

詳しい違いと使い分けは米国の住宅価格の3つの指標の違いにまとめました。

投資家にとっての意味(編集部)

  • 全米の数字は、持っている物件の値動きとは別物:地域の幅は前年同月比で0.6%から6.3%まであり、同じ月に上がる地域と下がる地域があります。ハワイの州単位の数字は四半期の発表(次回11月24日)で確かめ、オアフ島のコンドはホノルル不動産協会の月次統計で見ます。
  • 名目の上昇率と実質の違い:名目で2%前後の上昇は、物価上昇率を下回っています。円で評価する場合は、ドル円の動きの影響のほうが大きくなることがあります(円で考える)。
  • 金利の高止まりと合わせて読む:住宅ローン金利は7%前後で推移しています(金利の指標の違い)。価格が横ばいでも、ローンを使う買い手の負担は軽くなっていない点に注意が要ります。

自分で確かめる方法

  • FHFAの「House Price Index」のページ(fhfa.gov)で、月次の報告書(9地域別)と四半期の報告書(州別・大都市圏別)を無料で見られます。
  • ケース・シラー指数は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのリリースのほか、セントルイス連銀のFRED(系列名 CSUSHPINSA)で時系列を見られます。
  • 次回の公表は、FHFAの8月分が2026年10月27日、ケース・シラーの8月分も同じ10月27日です。

出典

  • Federal Housing Finance Agency「FHFA House Price Index Up 0.3 Percent in July; Up 2.6 Percent from Last Year」(2026年9月29日)
  • Federal Housing Finance Agency「FHFA House Price Index (HPI) Monthly Report — Data through July 2026」
  • S&P Dow Jones Indices「S&P Cotality Case-Shiller Index Reports Annual Gain in July 2026」(2026年9月29日)
  • 関連記事:FHFA 4〜6月期の発表、米国の不動産投資ガイド

よくある質問

FHFAの2.6%とケース・シラーの1.9%は、どちらが正しいのですか?

どちらも正しく、測っているものが違います。FHFAの指数は政府系の住宅金融機関が買い取ったローンつきの一戸建ての売買だけを対象にし、ケース・シラーは登記所の売買記録から現金やジャンボローンの取引も含めて集計し、価格の高い住宅の動きに重みをつけます。ケース・シラーは3か月の移動平均でもあるため、動きがなだらかに出ます。比べるときは同じ指数どうしで見ます。

ハワイの数字はこの発表に出ていますか?

州別の数字は四半期の発表(次回は2026年11月24日、7〜9月期)にしか出ません。月次の発表では、ハワイはカリフォルニア・オレゴン・ワシントン・アラスカと一緒に「太平洋地域」として集計されます。7月の太平洋地域は前月比0.6%上昇、前年同月比0.7%上昇でした。ハワイ州だけの直近の数字は4〜6月期の前年同期比5.8%上昇です。

出典・参考

  1. Federal Housing Finance Agency「FHFA House Price Index Up 0.3 Percent in July; Up 2.6 Percent from Last Year」(2026年9月29日公表)(2026-10-01 参照)
  2. Federal Housing Finance Agency「FHFA House Price Index (HPI) Monthly Report — Data through July 2026」(9地域別の月次・12か月の変化率の表、改定値、公表予定)(2026-10-01 参照)
  3. S&P Dow Jones Indices「S&P Cotality Case-Shiller Index Reports Annual Gain in July 2026」(2026年9月29日、PR Newswire 配信のリリース本文。全米・10都市・20都市の指数、都市別の表、実質価格の記述、指数の説明)(2026-10-01 参照)
  4. FRED(セントルイス連銀)「S&P Cotality Case-Shiller U.S. National Home Price Index(CSUSHPINSA)」(2026年7月の指数値337.306、次回更新2026年10月27日)(2026-10-01 参照)

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