本文へスキップ
解説メキシコ

メキシコで借家が多い州(INEGI 2025年)

執筆 編集部

戸建てと小規模集合住宅を並べて比較するイラスト
目次を開く

メキシコで物件を長期で貸すとき、借りて住む人がどれだけいるかは州によって大きく違います。統計局(INEGI)が2026年9月に公表した2025年の中間国勢調査(Encuesta Intercensal 2025。5年ごとの国勢調査の間に行う大規模な標本調査)には、州ごとの持ち家と借家の割合が載っています。この記事では、外国人がよく買う州を中心に2020年との比較をまとめます。

借家が多いのはキンタナ・ロー州、少ないのはユカタン州

人が住んでいる住宅のうち、家賃を払って住んでいる住宅の割合です。全国では19.3%で、2020年の17.3%から2.0ポイント上がりました。カンクンやトゥルムのあるキンタナ・ロー州は34.4%で、ここに挙げた州の中で最も高くなっています。

州人が住む住宅(2025年)住宅の増え方(2020→2025年、年平均)持ち家(2020年→2025年)借家(2020年→2025年)家族などから無償で借りている(2025年)
全国3,970万戸2.2%68.8%→66.2%17.3%→19.3%12.5%
キンタナ・ロー州(カンクン、プラヤデルカルメン、トゥルム)70万6,000戸3.7%59.8%→57.0%31.8%→34.4%7.6%
ハリスコ州(グアダラハラ、プエルト・バジャルタ)262万2,000戸2.1%58.7%→56.5%28.4%→31.2%10.7%
バハ・カリフォルニア州(ティフアナ、ロサリート、エンセナダ)130万6,000戸2.3%61.3%→57.0%26.1%→30.1%11.2%
メキシコシティ302万3,000戸1.7%55.6%→50.8%24.5%→26.9%18.3%
バハ・カリフォルニア・スル州(ロスカボス、ラパス)31万2,000戸4.7%67.3%→61.3%21.4%→26.1%9.6%
ケレタロ州79万9,000戸3.3%68.4%→66.0%21.8%→23.4%8.7%
ナヤリット州(リビエラ・ナヤリット)40万8,000戸2.2%69.7%→64.0%17.0%→21.5%12.1%
ヌエボ・レオン州(モンテレイ)193万6,000戸2.8%73.7%→70.4%16.8%→20.3%7.6%
グアナフアト州(サンミゲル・デ・アジェンデ)180万9,000戸2.4%70.9%→69.3%16.3%→17.9%11.1%
ユカタン州(メリダ)77万5,000戸3.0%76.5%→74.8%11.6%→13.1%10.1%

出典:INEGI 2020年国勢調査および2025年中間国勢調査(各州の結果発表資料)。割合は人が住む住宅に占める割合で、無回答があるため合計は100%になりません。「持ち家」はローン返済中を含みます。

表の州はすべて、2020年から2025年にかけて持ち家の割合が下がり、借家の割合が上がりました。上がり方が大きいのは、バハ・カリフォルニア・スル州(4.7ポイント)、ナヤリット州(4.5ポイント)、バハ・カリフォルニア州(4.0ポイント)、ヌエボ・レオン州(3.5ポイント)です。いずれも観光地か工業都市を抱える州で、住宅の増え方も全国平均の年2.2%を上回る州が多くなっています。

借家の割合が3割を超えるのは、キンタナ・ロー州、ハリスコ州、バハ・カリフォルニア州の3つ。反対にユカタン州は13.1%と全国平均を大きく下回り、持ち家が4分の3を占めます。メキシコシティは借家が26.9%で、家族などから無償で借りている住宅が18.3%と他の州より多いのが特徴です。

州の数字をどこまで当てにできるか

州全体の数字で、街ごとの数字ではありません。 キンタナ・ロー州の人口の48.9%はカンクンのあるベニート・フアレス市に住んでいます(2025年、102万4,359人)。州の借家の割合はカンクン市街の影響を強く受け、プラヤデルカルメンやトゥルムの数字をそのまま表すものではありません。市ごとの表は INEGI の掲載ページで見られます。

借り手が誰かは分かりません。 借家の統計は、現地で働く人がペソ建てで借りる住宅を中心に、すべての住宅を合わせた数字です。外国人が買うことの多い家具付きのコンドの借り手(長期滞在の外国人、リモートワーカー)がどれだけいるかは、この統計からは読み取れません。同じ地区の管理会社の実績で確かめます(長期で貸すときの契約と慣行)。

人が住んでいない住宅は対象外です。 中間国勢調査は、調査の時点で人が住んでいた住宅だけを調べています。リゾート地の別荘や、売れていない新築の戸数は分かりません。供給の多さは、住宅価格の調べ方にある都市圏別の指数や、現地で売り出し中の戸数で別に確かめる必要があります。

「無償で借りている」住宅が1割あります。 親族の家に家賃なしで住む形で、全国で12.5%、メキシコシティでは18.3%です。借家の割合に含まれない一方、持ち家でもありません。家賃を払う借り手の規模を見るときは、この区分を足さないでください。

家賃の額は含まれません。 この調査は家賃の水準や値上がりを聞いていません。家賃の動きは別の統計や成約事例で見ます。メキシコシティでは2024年の法改正で住宅の家賃の値上げが前年のインフレ率までに制限されています(メキシコシティの不動産)。

州ごとの読み方の例

キンタナ・ロー州は借家が3分の1を超え、住宅も年3.7%のペースで増えています。人が増え続ける市街地の賃貸需要を示す一方、外国人向けのコンドは短期貸し(民泊)と競合する市場です(リビエラ・マヤの見方)。

バハ・カリフォルニア・スル州は住宅の増え方が年4.7%と表の中で最も速く、借家の割合も5年で4.7ポイント上がりました。人口と住宅の増え方が速い州で、借りて住む人も増えています。ただし州全体の住宅数は31万戸で、小さな市場です。

ユカタン州は持ち家が74.8%で借家は13.1%。借りて住む人の層が薄い州なので、メリダで長期に貸す前提で買うなら、借り手がどこから来るかをより慎重に見る必要があります(内陸・地方の都市の見方)。

自分で確かめる方法

確かめることどこで
州ごとの持ち家・借家の割合INEGI の Encuesta Intercensal 2025 のページ → 「Presentación de resultados」から州を選ぶ → 「Vivienda」の章の「Distribución de las viviendas según tenencia」
市ごとの割合同じページの「Tabulados」(Excel)→ Vivienda → tenencia。市(municipio)ごとの表
数字の精度同じページの「Estimadores de precisión」。標本調査のため、小さな市では誤差が大きい
2020年との比較INEGI の Censo de Población y Vivienda 2020 の表。同じ区分で集計されている
全国の住宅の数と設備メキシコの住宅は3,970万戸に(INEGI 2025年調査)

次に読む

2025年中間国勢調査は、2025年10月6日〜11月14日に全国730万戸あまりの住宅を対象に行われた標本調査で、結果は2026年9月22日に公表されました。住宅の区分は、住んでいる人が所有者(持ち家)、家賃を払っている(借家)、家族のものか貸してもらっている(無償)、その他、の4つで、2020年の国勢調査と同じ区分です。住宅の戸数は千戸単位で四捨五入しています。

よくある質問

借家の割合が高い州なら、物件を貸しやすいと考えてよいですか?

借りて住む世帯が多いことは分かりますが、どの価格帯の住宅を、どんな人が借りているかまでは分かりません。キンタナ・ロー州の借家には、現地で働く人が市街地で借りるペソ建ての住宅が多く含まれます。外国人向けの家具付きコンドの借り手の厚さは、同じ建物や地区の管理会社の実績で確かめる必要があります。

別荘や空き家はこの割合に入っていますか?

入っていません。2025年の中間国勢調査は、調査のときに人が住んでいた住宅だけを対象にしています。リゾート地に多い別荘や、売れていない新築は数に入らないため、供給の多さはこの統計では分かりません。

相談する

メキシコの購入費用や手続きについて、ご相談ください

「予算に合う国を知りたい」「契約前に何を調べればよいか」など、今気になっていることをお寄せください。編集部が内容を確認し、調べる項目や参考になる記事をメールでご案内します。相談は無料。物件の勧誘は行わず、提携エージェントのご紹介はご希望の場合に限ります。

メキシコの購入費用・進め方を相談する
  1. フォームから送信(名前とメールアドレスのみ必須)
  2. 編集部が内容を確認し、メールで返信します
  3. ご希望があれば、提携エージェントへの取り次ぎをご案内します(共有はご本人の希望を確認したうえで)

本サイトはエージェント向け集客支援を事業とする株式会社Sumieが運営しています。ご紹介先から報酬を受けることがありますが、ご相談の内容や判断に影響しないよう運営しています。

補足情報

メキシコの統計局(INEGI)の2025年中間国勢調査では、人が住む住宅のうち借家の割合は全国で19.3%でした。キンタナ・ロー州は34.4%、ハリスコ州は31.2%、バハ・カリフォルニア州は30.1%と高く、ユカタン州は13.1%です。2020年からの変化と住宅の増え方を州ごとにまとめ、賃貸の借り手を考えるときの使い方と限界を説明します。

出典・参考

  1. INEGI「Presentación de resultados — Encuesta Intercensal 2025. Estados Unidos Mexicanos」(全国。Vivienda の章「Distribución de las viviendas según tenencia, 2020 y 2025」と「Viviendas particulares habitadas, 2020 y 2025」)(2026-10-05 参照)
  2. INEGI 同・Quintana Roo(キンタナ・ロー州)(2026-10-05 参照)
  3. INEGI 同・Jalisco(ハリスコ州)(2026-10-05 参照)
  4. INEGI 同・Ciudad de México(メキシコシティ)(2026-10-05 参照)
  5. INEGI 同・Baja California(バハ・カリフォルニア州)(2026-10-05 参照)
  6. INEGI 同・Baja California Sur(バハ・カリフォルニア・スル州)(2026-10-05 参照)
  7. INEGI 同・Yucatán(ユカタン州)、Nayarit(ナヤリット州)、Nuevo León(ヌエボ・レオン州)、Querétaro(ケレタロ州)、Guanajuato(グアナフアト州)は同じURLの末尾の番号 31・18・19・22・11(2026-10-05 参照)
  8. INEGI「Comunicado de prensa 54/26 — Encuesta Intercensal 2025」(2026年9月22日。調査期間・標本数・全国の住宅数)(2026-10-05 参照)
  9. INEGI — Encuesta Intercensal 2025 の掲載ページ(表(tabulados)、精度の推定値、市別の結果)(2026-10-05 参照)