吸収率と在庫月数とは
執筆 編集部

目次を開く
定義
吸収率(Absorption Rate)は、売り出し中の住戸のうち、一定の期間(多くは1か月)に売れた戸数の割合です。売れ残りがどれだけの速さで「吸収」されているかを表します。
在庫月数(Months’ Supply)は、今の売れ方が続き、新しい売り出しがないと仮定したときに、売り出し中の住戸がなくなるまでの月数です。吸収率を裏返した数字で、吸収率が月2%なら在庫月数はおよそ50か月になります。
計算の例
| 項目 | 説明のための例 |
|---|---|
| 売り出し中の住戸 | 1,000戸 |
| 1か月に売れた戸数 | 25戸 |
| 吸収率 | 25 ÷ 1,000 = 月2.5% |
| 在庫月数 | 1,000 ÷ 25 = 40か月 |
統計によって、分母を「調べた期間に売り出されていた住戸の全部」にするか「期末の売れ残り」にするかが違います。数字を比べるときは、同じ機関の同じ統計どうしで比べます。
公表されている数字の例
| 公表元 | 対象 | 数字の例 |
|---|---|---|
| タイの不動産情報センター(REIC) | 開発会社が売り出す新築の住宅とコンド | 東部3県(2026年4〜6月期)は吸収率が月2.3%、売り切るまで約41か月 |
| 全米不動産協会(NAR) | 米国の中古住宅 | 2026年8月の在庫は4.9か月分 |
REIC の数字は新築だけが対象で、中古の部屋の売れ方は含みません。NAR の数字は全米の合計で、州や都市ごとの事情は表しません。どちらも、タイ東部3県の調査のニュースと米国の中古住宅販売(8月)で詳しく扱っています。
投資家が読むときのポイント
- 在庫月数が長い地区では、売り手どうしの競争が強く、売りに出してから売れるまでの日数(DOM)も長くなりやすいと考えられます。自分の部屋を売るときの競合の多さの目安になります。
- 新築の在庫月数が長い地区で中古を売る場合、値引きを重ねる新築と比べられることがあります。
- 吸収率は売れた戸数の割合で、価格や家賃の動きは含みません。空室率(貸している住戸のうち空いている割合)とも別の数字です。
よくある質問
吸収率が高いほど、その地区の物件は値上がりしますか?
そうとは限りません。吸収率は売れた戸数の割合で、価格は含みません。売り出し中の住戸が少ない地区では、少し売れただけで吸収率が高く出ることもあります。価格の動きは住宅価格指数などの別の統計で確かめてください。
補足情報
吸収率は、売り出し中の住戸のうち1か月に売れた割合です。在庫月数は、今の売れ方が続いたときに売り出し中の住戸がなくなるまでの月数で、タイの不動産情報センター(REIC)や全米不動産協会(NAR)が公表しています。
出典・参考