本文へスキップ
解説ハワイ

ハワイのコンドの保険(HO-6):管理組合の保険との分担、免責金額を誰が払うか、州の法律とサンプル保険料で確かめる

ハワイのコンドでは、建物の保険は管理組合(AOAO)がかけ、部屋の中の造作・家財・賠償は所有者がHO-6という保険でかけます。ハワイ州法514B-143条が管理組合に求める保険の範囲、所有者が付けた造作が対象外になりうること、免責金額を所有者に負わせられる3つの場合、州保険局が公表するサンプル保険料(2024年12月時点、オアフ島)を、法令と当局の資料で整理します。

執筆 編集部

オアフ島の海岸と住宅、山並みを描いたイラスト
オアフ島の都市景観をモチーフにしたイメージイラスト / AI生成イラスト

この記事で出てくる言葉

言葉ざっくりいうと
HO-6コンドの区分所有者向けの保険の形式。部屋の中の造作・家財・賠償をカバーする
マスターポリシー管理組合(AOAO)がかける建物全体の保険
免責金額(ディダクティブル)保険金が出るときに、自己負担になる最初の金額
造作・改良(improvements and betterments)所有者が部屋に付けた内装・設備。法律で定義がある
再調達価額同じものを今建て直す・買い直す費用。減価償却を引かない
追加生活費(Coverage D)事故で部屋が使えない間の宿泊費などを補う補償
ハリケーン保険ハワイでは通常の保険と別に契約するのが一般的な、ハリケーンによる損害の保険
特別徴収(スペシャル・アセスメント)管理組合の費用が足りないとき所有者に課される追加の支払い(詳しく

先に結論

  • ハワイ州法514B-143条は、管理組合に共用部の財産保険(特別形式=広い範囲の事故を対象、再調達価額の全額)と賠償責任保険(100万ドル以上)を求めている。棟でつながった建物では、可能な範囲で専有部(ユニット)も含む
  • ただし、管理組合の保険は所有者が部屋に付けた造作(照明器具・家電・空調・給湯器・造り付けの棚など)を対象にしなくてよいと法律に書かれている。ここが所有者の保険(HO-6)の第一の役割。
  • 事故があったとき、理事会は管理組合の保険の免責金額を、(1) 共用の費用で払う、(2) 原因となった部屋の所有者に課す、(3) 被害を受けた部屋の所有者に払わせる、のいずれかを選べる。自室からの水漏れで免責金額の請求が来ることがある。ここが第二の役割。
  • 理事会は所有者の過半数の同意で、所有者に保険の加入を義務づけられる。入らないと、理事会が代わりに加入して保険料を請求できる。
  • 州保険局のサンプル(2024年12月時点、オアフ島、部屋の造作・家財12.5万ドル、賠償31万ドル、免責500ドル、自分が住む前提)では、HO-6の年間保険料は約80〜2,500ドルと保険会社で大きく開く。ハリケーンは別契約で、同じ前提の年間保険料が約30〜1,900ドル

州の法律が定める分担

対象誰の保険か法律の内容(514B-143条)
共用部(構造、外壁、廊下、エレベーターなど)管理組合特別形式の財産保険。再調達価額の全額(免責を除く)。建築基準の変更による費用増も含む
専有部(ユニット)管理組合(原則)棟でつながった建物では、可能な範囲で専有部と限定共用部も含める
所有者が付けた造作・改良所有者管理組合の保険は対象にしなくてよい。対象にする場合、増えた保険料を該当の部屋に課せる
家財(家具・家電など)所有者法律の対象外。所有者の保険で
賠償責任(共用部で起きた事故)管理組合100万ドル以上、または理事会が十分とみる額
賠償責任(自室が原因の事故)所有者所有者の保険で
免責金額理事会の判断で所有者に回りうる下の表
洪水管理組合連邦の洪水リスク地図で高リスク区域なら、管理組合が洪水保険を維持する
ハリケーン建物は管理組合、部屋の中は所有者法律の条文ではなく保険の慣行。ハワイでは通常の保険と別契約が一般的

法律の冒頭は「宣言書(Declaration)または規約(Bylaws)に別の定めがなければ」で始まります。建物ごとに宣言書で分担が変わることがあるため、自分の建物の宣言書と保険証券の確認が要ります。

免責金額は誰が払うか

514B-143条(d)は、部屋や共用部に損害が出たとき、理事会が免責金額について次の3つから選べると定めています。

選択内容所有者にとって
(1) 共用の費用で払う管理費(積立)から出す直接の負担はないが、管理費や特別徴収に回る
(2) 原因となった所有者に課す通知と聴聞の機会のあと、損害を起こした所有者、または損害の原因が生じた部屋の所有者に課す自室の給湯器や洗濯機からの水漏れなら、免責金額の請求が来る
(3) 被害を受けた部屋の所有者に払わせる損害を受けた部屋の所有者が払う上の階からの水漏れで自室が被害を受けても、免責分は自分の負担になる場合がある

管理組合の免責金額は建物ごとに違い、保険証券で確認します。免責金額が高いほど、(2)や(3)で所有者に回る額も大きくなります。HO-6には、こうした管理組合からの請求(免責金額や特別徴収)を補う補償を付けられる商品があり、限度額を確認して選びます。

理事会が所有者に保険を義務づけたとき、法律は所有者の負担の範囲として「被害を受けた所有者の免責金額、義務づけられた保険で補償されない損害、内装・塗装・壁や床の仕上げ・造作・家電・設備・家具」を挙げています(同条(g))。

HO-6の補償の中身(州保険局の説明)

ハワイ州保険局の資料では、HO-6は「コンドやタウンハウスの所有者向けの形式で、家財と部屋の内装の仕上げをカバーする。建物(共用の壁や敷地を含む)と賠償は管理組合が別の保険でかけるのが一般的」と説明されています。

補償内容HO-6での見方
A(建物)建物の損害HO-6では、所有者が申告した部屋の中の造作の価額が上限になるのが一般的
B(付属建物)離れ・物置などコンドではほぼ関係しない
C(家財)家具・家電・持ち物家具付きで貸すなら重要。多くは減価償却後の価額(ACV)が基準。再調達価額にする特約もある
D(追加生活費)部屋が使えない間の費用賃貸用では「家賃の損失」の補償に置き換わる(保険会社に確認)
E(賠償責任)他人のけがや物の損害に対する法的な責任自室からの水漏れで下の階に損害を与えた場合など
F(医療費)敷地内でけがをした人の治療費過失の有無を問わず一定額

保険料の目安(州保険局のサンプル)

ハワイ州保険局は、同じ前提で各社が申告した年間保険料を公表しています。**前提が「自分が住む家」**である点に注意してください。

前提(オアフ島)内容
料率の時点2024年12月1日
部屋の造作・家財(C)12.5万ドル(再調達価額)
追加生活費(D)Cの40%
賠償責任31万ドル
免責金額500ドル
建物1972年築・木造(シングルウォール)、2008年築・木造(ダブルウォール)、2000年築・コンクリートブロック造の3種
その他自分が住む、過去5年に保険金の請求なし、標高15フィート
結果(1972年築・木造、消防の区分3)年間保険料
最も低い会社77ドル
中ほど数百ドル台
最も高い会社2,506ドル
申告した会社の数34社
ハリケーンのみの保険(同じ前提、免責は保険金額の2%年間保険料
最も低い会社34ドル
最も高い会社1,852ドル
申告した会社の数25社

同じ前提でこれだけ開くのは、会社ごとに料率の作り方が違うためです。州保険局は「希望する免責金額と補償の限度を先に決めてから、同じ条件で複数の見積りをとる」ことを勧めています。貸している部屋、日本在住の所有者、家具付きといった条件では、この表の金額はそのまま当てはまりません。目安として、見積りの妥当性を測る物差しに使います。

ハリケーンは別の保険

州保険局のFAQによると、ハワイのハリケーン保険は通常の保険を補う別契約で、多くの会社が「72時間条項」を使っています。中部太平洋ハリケーンセンターが**ハリケーンの注意報(watch)または警報(warning)**を出した時点から72時間の間に生じた損害が、ハリケーン保険の対象になる、という仕組みです。それ以外の風による損害は通常の保険側で扱います。

  • ローンがあれば貸し手が加入を求める。現金で買った場合は任意。
  • 洪水と、ハリケーンに至らない風の損害はハリケーン保険の対象外
  • 建物側のハリケーン保険は管理組合、部屋の中は所有者、という分担が一般的。管理組合の保険料の上昇が管理費に効いていることは管理組合の書類の読み方に書いています。

自分で確かめる方法

確かめること見る場所
管理組合の保険の範囲・免責金額・更新日売主側から開示される書類の保険証券(Certificate of Insurance)。「専有部を含むか」「造作を含むか」の文言と、免責金額
免責金額の扱い理事会の**決議(deductible resolution)**やハウスルール。(1)〜(3)のどれを基本にしているか
所有者に義務づけられた保険宣言書・規約・理事会の通知。求められる種類と限度額
法律の条文ハワイ州議会のサイト(capitol.hawaii.gov)で HRS §514B-143
保険料の目安ハワイ州保険局(cca.hawaii.gov/ins)の “Homeowners Insurance Premium Comparison” のうちコンド(HO-6)の版。毎年更新
自分の保険の条件用途(貸す/住む)、造作の申告額、家財、賠償、管理組合からの請求に備える補償、ハリケーンの有無

次に読む

よくある質問

管理組合が保険に入っているなら、自分の保険はいらないのでは?

ハワイ州法514B-143条は、管理組合の保険は所有者が部屋に付けた造作(照明器具、家電、空調、給湯器、造り付けの棚など)を対象にしなくてよいと定めています。また、事故の原因が自室にあるときは管理組合の保険の免責金額を所有者に負わせることができます。この2つを埋めるのが所有者側の保険(HO-6)です。

貸している部屋でも同じHO-6でいいですか?

州保険局のサンプル保険料は「自分が住む家(primary residence)」を前提にしています。貸す場合は用途が違うため、保険会社に貸していることを伝え、賃貸用の条件(家賃の損失の補償、賠償の範囲)で見積りをとります。用途を伝えずに契約すると、事故のときに補償が争いになることがあります。

出典・参考

  1. Hawaii Revised Statutes §514B-143 Insurance(コンドミニアム法・保険の条文)(2026-09-23 参照)
  2. Hawaii Insurance Division (DCCA) — Sample Annual Condominium Unit-Owners Insurance Premiums (HO-6)、Rates effective December 1, 2024(2024年12月27日版)(2026-09-23 参照)
  3. Hawaii Insurance Division (DCCA) — Frequently Asked Questions on Hurricane Insurance(2026-09-23 参照)

相談する

ハワイの検討で分からないことを、相談で整理できます

検討している国や予算、目的、気になっている費用・リスクをお書きください。業者ではない立場で、確認すべき点と読む順番を整理してお返しします。ご希望があった場合にのみ、提携するエージェントをご紹介します。相談は無料で、物件の勧誘はしません。

ハワイの購入費用・進め方を相談する
  1. フォームから送信(名前とメールアドレスのみ必須)
  2. 編集部が内容を確認し、メールで返信します
  3. ご希望があれば、提携エージェントへの取り次ぎをご案内します(共有はご本人の希望を確認したうえで)

本サイトはエージェント向け集客支援を事業とする CROSSLAND が運営しています。ご紹介先から報酬を受けることがありますが、ご相談の内容や判断に影響しないよう運営しています。