海外不動産で為替の損が出たとき、日本の申告はどうなりますか?(家賃・売却・外貨預金での為替の扱い、損益の相殺の入口)
海外不動産の家賃や売却代金は円に換算して日本で申告するため、為替の動きが所得の計算に入ります。家賃の換算、売却時の取得費と売却額の換算、売却代金を外貨預金で持つ場合の為替差益・差損の扱い、損益を他の所得と相殺できるかの入口を整理します。
執筆 編集部

短い答え
為替の動きは、円に換算した所得の計算に含まれます。家賃は取引の時点の為替で、売却は取得費を取得の時点、売却額を売却の時点の為替で円に換算するのが原則です。売却代金を外貨預金で持ち、あとで円に替えたときの為替差益は、別の所得(雑所得)として扱われることがあります。
場面ごとの扱い(概要)
| 場面 | 扱い |
|---|---|
| 家賃 | 取引の時点の為替で円換算し、不動産所得に含める |
| 売却 | 取得費は取得時、売却額は売却時の為替で換算。為替の影響は譲渡所得に含まれる |
| 売却代金を外貨預金で持ち、あとで円に替える | 預け入れ時と払い出し時の為替の差が、雑所得になることがある |
| 外貨のまま別の外貨の資産を買う | 扱いが複雑。専門家に確認 |
損益の相殺の入口
- 不動産の譲渡損失は、原則として他の所得(給与など)と相殺できません。
- 不動産所得の赤字は、一定の条件で他の所得と相殺できますが、個人の海外中古建物の減価償却による赤字は相殺できない制限があります(減価償却とは)。
- 外貨預金の為替差損(雑所得の損失)は、他の所得と相殺できないのが原則です。
記録しておくこと
- 取得時の為替と、購入代金を払った日。
- 家賃の入金日と為替(方法を毎年そろえる)。
- 売却時の為替と、売却代金の入金日。
- 外貨預金の預け入れと払い出しの為替。
※ 具体的な扱いは、日本の税理士に確認してください。
関連
円安のときに売ったほうがいいですか?、取得費(ベーシス)とは、毎年そろえる申告の書類
よくある質問
現地通貨では利益が出たのに、円では損になりました。税金はかかりますか?
日本の譲渡所得は、取得費と売却額をそれぞれの時点の為替で円に換算して計算するため、円で損であれば、日本では譲渡損失になるのが原則です。一方、現地の税は現地通貨で計算されるため、現地では課税されることがあります。損失の扱いは税理士に確認してください。
出典・参考
- 国税庁 タックスアンサー No.1521 外貨建取引の換算(2026-09-23 参照)
- 国税庁 タックスアンサー No.1525 外貨建預貯金の為替差益(雑所得)(2026-09-23 参照)
- 国税庁 タックスアンサー No.3560 居住者が海外の不動産を売却した場合の課税関係等(2026-09-23 参照)
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