アメリカ中西部・南部の「高利回り戸建て」の実像:オハイオ・インディアナ・メンフィスで数字がどう変わるか
日本人向けに販売される米国物件の多くは、中西部・南部の価格が安い都市の戸建てです。表面利回り10%超という数字の裏で、固定資産税、保険、修繕、空室、入居者の質、管理会社の手数料がどう働くか。実質で見たときの姿と、確認すべき点を整理します。
執筆 編集部

この記事で出てくる言葉
| 言葉 | ざっくりいうと |
|---|---|
| キャッシュフロー物件 | 値上がりより毎月の家賃収入を目的にした物件 |
| クラスA/B/C | 物件と地域の等級。Cは安いが入居者の質と修繕負担で差が出る |
| ターンオーバー費用 | 入居者が替わるときの修繕・清掃・募集の費用 |
| 立ち退き(エビクション) | 滞納した入居者を退去させる法的手続き |
先に結論
- 中西部・南部の安い戸建ては、表面利回りは高いが、費用の割合が重い。実質では半分以下になることが多い。
- 差が出るのは入居者の入れ替え費用と滞納。等級の低い地域では、この2つが利回りを食う。
- 見るべきは、人口が増えているか、雇用が分散しているか、同じ管理会社の他物件の実績。
数字の例(説明のための例。実際は物件ごとに違う)
| 項目 | 価格12万ドル・家賃月1,200ドルの戸建て |
|---|---|
| 年間家賃 | 14,400ドル(表面利回り12%) |
| 固定資産税 | −2,000〜3,000ドル |
| 保険 | −1,200〜1,800ドル |
| 管理会社(8〜10%+募集費) | −1,500〜2,200ドル |
| 空室・滞納(年1か月分) | −1,200ドル |
| 修繕・入れ替え | −1,500〜3,000ドル |
| 実質 | 3,000〜6,000ドル前後(実質利回り2.5〜5%) |
これに為替、送金、日米の申告費用がかかります。
都市の特徴
| 都市 | 特徴 | 注意 |
|---|---|---|
| オハイオ(クリーブランド、コロンバス) | 価格が安い。コロンバスは人口増 | クリーブランドは地域差が大きい。冬の修繕 |
| インディアナ(インディアナポリス) | 物流と雇用。手頃 | 供給の増加 |
| テネシー(メンフィス) | 日本人向け販売が多い。安い | 治安の地域差。管理会社の質 |
| ミズーリ(セントルイス、カンザスシティ) | 手頃 | 地域差、人口停滞 |
| ジョージア(アトランタ郊外) | 人口増 | 価格上昇で利回りは低下 |
確認すること
- 郡・郵便番号単位の人口と雇用の推移
- 同じ管理会社の他物件の入居率・滞納率・入れ替え費用(実績)
- 築年と屋根・配管・電気の交換時期
- 州の立ち退き手続きの期間(数週間の州と数か月の州がある)
- 販売価格と第三者の評価額の差(ターンキー物件の見方)
次に読む
よくある質問
利回り10%超の物件は本当ですか?
表面利回り(家賃÷価格)としては実在します。ただし価格が安い地域ほど、固定資産税・保険・修繕・空室・管理費の割合が家賃に対して重く、実質利回りは大きく下がります。入居者の入れ替えのたびに数千ドルの修繕が出ることも前提にしてください。
出典・参考
- U.S. Census Bureau — 郡別の人口動態(2026-09-23 参照)
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