表面利回りと実質利回りの違い:海外不動産の「利回り○%」を見たら最初にすること
表面利回りは「年間家賃 ÷ 物件価格」だけの数字で、管理費・空室・手数料・税金・為替は入っていません。海外不動産の広告で見る利回りの多くは表面利回りです。実質に直す計算の手順を示します。
執筆 編集部

定義
- 表面利回り(グロス) = 年間の家賃収入 ÷ 物件価格。費用を何も引いていない数字。
- 実質利回り(ネット) =(年間の家賃収入 − 年間の費用)÷(物件価格 + 購入時の費用)。空室も考える。
投資家に関係する点
海外不動産の広告やセミナーで示される「利回り○%」は、ほぼ表面利回りです。しかも「想定家賃」で計算されていることが多く、実際に借り手がいる家賃ではありません。
実質に直すときに引くもの:
| 引くもの | 例 |
|---|---|
| 管理費・修繕積立 | ドバイのサービスチャージ、タイ・フィリピンの共益費、ハワイのHOA費 |
| 管理委託料 | 賃貸管理会社への手数料(家賃の数%〜1か月分) |
| 空室 | 年間の想定空室期間(1〜2か月見ておく) |
| 固定資産税など現地の税 | 国によって有無・水準が違う |
| 保険・修繕 | 火災保険、設備の交換 |
| 購入時の費用 | 登記料・仲介手数料など(分母に足す) |
これに、日本での所得税と、為替の変動が乗ります。
計算例(説明のための仮の数字)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 物件価格 | 3,000万円相当 |
| 購入時費用 | 180万円(6%) |
| 想定年間家賃 | 180万円(表面利回り 6.0%) |
| 管理費・修繕積立 | −36万円 |
| 管理委託料 | −15万円 |
| 空室(1.5か月) | −22万円 |
| 保険・修繕 | −10万円 |
| 手取り | 97万円 |
| 実質利回り | 97万円 ÷ 3,180万円 ≒ 3.0% |
表面6%が実質3%になる、というのは海外不動産では珍しくありません。
見たら最初にすること
- その利回りは表面か実質かを聞く。
- 家賃は実際の契約か想定かを聞く。
- 管理費の直近の請求額を出してもらう。
- 自分で実質利回りを計算し直す。